今回とりあげるのは、

~早起きの「お手伝い」します~
「お坊さんが教える、朝の座禅。朝活禅」です。

これどういうものかというと、
・750年前から伝わる曹洞宗の朝の座禅をホテルで指導してもらえて
・座禅のほかにも読経、写経、朝のお粥などの修行を体験でき
・姿勢と心を整えて「しなやかなぶれない わたし」を育てることができる
・全6回で9000円

といったものです。

(参考)
http://www.sotozen-net.or.jp/asakatsuzen

座禅とマーケティング、一見、無関係にみえて、この企画、マーケティング的になかなか見るべきものがある、すばらしい企画だと思います。

マーケティング的なポイントとしては、以下があげられます。

①場所を変更することによる利用障壁の低減

よくお寺などで座禅会というのはやっていますが、仮に座禅に興味があっても、何の縁もゆかりもないお寺にいっていきなり参加するのって、抵抗がありますよね。

お寺というのは、一応宗教施設なので、信者でもないかぎり、座禅に興味はあっても入りづらいわけです。それが、ホテルという場所だと、そこは宿泊施設であるわけで、お寺に比べると格段に利用しやすい、ということになります。

②戦場の変更
それから、場所を変更することで、戦うべき戦場の変更がされているという点も注目に値します。

通常の座禅会であれば、それは他の寺院がやっている座禅会が競合ということになるわけですが、場所がホテルで、有料化したことにより、座禅会が、「習い事」に変質していること気づきます。つまり、利用者は、この”朝活禅”を、「習い事」として捕らえることになるわけです。

そうなると、俄然、”朝活禅”の「習い事」の独自性が際立ってきます。
まず、「習い事」として座禅をやっているところってあまりないし、「習い事」を朝やっているところもあまりないですよね。

また、この”朝活禅”は、リゾートホテルなどのアクティビティとしても考えることができます。

よく、リゾートホテルで、実施している自然体験ツアーとかヨガ教室などやっていますが、”朝活禅”もこれらの一環としてとらえられます。そう考えると、場所を提供しているホテルとしても、ひとつの”呼び物”ができるわけで、願ったりなったりですし、利用者としても、珍しいアクティビティが体験できるホテルとして、利用価値が高まります。

ちなみに、この”朝活禅”では、事前に登録が必要であるようなので、宿泊客が当日参加はできなさそうで、実際にはアクティビティとしては使えないかもしれません。もしそのような使い方ができたらよいのになぁとは個人的には思います。

また、この”朝活禅”、お手軽に宿坊体験ができるスポットという捕らえ方もできます。通常、読経、写経、朝のお粥などの修行を体験を行おうとすると、宿坊に宿泊しないといけないわけで、場所も多くは遠隔地であること考えると、お手軽な宿坊体験といえます。

まとめると、場所を変更したことにより、
1.習い事
2.リゾートホテルなどのアクティビティ
3.お手軽な宿坊体験
といった、多面的な戦場で戦うことができるといメリットがあります。

③アイドルタイムの活用
ホテルとしても、朝の時間というアイドルタイムを利用することになるので、経営資源が有効に活用できことになります。ちなみに、この企画をおこなうのにあたって、外部のお坊さんが行うので、ホテルのスタッフをそれほど必要としないこともあり、この点でも、ホテル側としては負担はすくないと考えられます。

④コピーのうまさ
この”朝活禅”のコピー、~早起きの「お手伝い」します~、うまいですよね。意外性があって。
私は、写真のチラシを見つけた瞬間に、思わず手にとってしまいました。

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この”朝活禅”のように同じサービスを行うのでも、場所をかえるという発想は、参考にできそうですね。

●おまけ
私は無宗教なのですが座禅にはもともと興味があって、一時、通っていた時期はあったのですが、そのお寺、座禅会をやめてしまったのです。

で、新たに座禅ができるところを探していて近くにそのような場所があるのですが、なかなか気軽に入れないです。もう少し、お坊さんも、”営業活動”をしてくれるといいのに、と思います。