今回はの取り上げるのは、「やさしい麦茶」です。

http://products.suntory.co.jp/d/4901777244757/

この商品、この夏の発売された飲料のなかで、ダントツですよね。

なんせ、びっくりするほど、うまい!

そして、商品名そのままに、とにかくやさしい!

マーケティングの観点で、この商品で勉強になるのは、「言葉の発見の妙!」といえるのではないかと思います。

これを説明するために、私が最初にこの商品を購入するに至った頭の中の会話を再現してみることにします。

この夏の猛暑で、バテ気味の体で、コンビニをうろついていた私。

「なんか疲れちゃったな。飲み物でも飲んでリフレッシュするかな」
「チルドコーヒーなんかも良いけど、もうちょっとスッキリするのがいいな」

「じゃあ、お茶にする? 緑茶系でもいいけど、なんかもっと刺激がすうなくて、体にやさしい感じのないかぁ」

「お、あったあった、やさしい麦茶。これぴったりじゃん。麦茶ならカフェインが入ってないし、刺激がすくなくて、体によさそうだなぁ。」

こうしてこの商品を購入することになるわけですが、この間3秒くらい。

低額の商品を消費者が選択するのにかける時間は、凡そ3秒といわれています。だから、商品にメッセージを載せるとすると、それは3秒で伝わるものでなくてはならないのです。

従って、商品名をそのまま、一番伝えたいメッセージにするのはとても効果的です。
そして、飲む。

「う、うまい!」

「おお、なんだ! このやさしさは!!!」

「商品名そのままじゃん! まさに看板に偽りなしだな!」

「そうか、麦茶ってやさしいのみものなんだぁ。オレは、麦茶にやさしさを求めてたんだぁ!」

そして、商品のパッケージをみる。

「DAKARA。あぁ、あのカラダ・バランス飲料とかいって、小便小僧のCMでやってたやつ!。」

「確かに、麦茶って体によいっていうよなぁ。ミネラルもとれるっていうし。汗をたくさんかいてるから、ミネラルの補給にもなるなぁ。」

「これからも飲んでみよう!」

こうして、ファン獲得ということにわけですが、ここで、DAKARAブランドが効いていきます。
2000年の発売以来、ずっと体にいいことを訴求しつづけたDAKARAだから、きっと体によいのだろう、といういった脳内反応を誘発し、ファンを獲得するに至るわけです。

この商品のキモは、「やさしい」という言葉の発見にあったのではないかと、推測されます。

おそらく、商品企画会議かなんかで、だれかがつぶやいたんだと思います。

「麦茶って、やさしいよなぁ」

ここから、すべてが始まったのではないか、と。

麦茶をやさしくする商品開発が始まり、やさしさを訴求する広告がつくられという具合にことが進行したのではないかと推測されます。

それから、この「やさしい」って言葉も、簡単にでる言葉ではないですよね。

やさしい麦茶っていう商品があれば、コロンブスの卵のように、それが自然、あたりまえと感じられますが、この商品がなければ普通出てこない。

「やさしい」って、普通は飲み物につかう言葉ではないですから。

古くは、糸井重里の「おいしい生活」のように、修飾語と非修飾語の普通でない組み合わせにする、それだけで、コピーとなるのだなぁ、と改めて勉強になりました。