今回取り上げるのは、「~婚活不動産~プロパティ・デザイン・オフィス(PDO)」です。

●これどういうもの?

これはどういうものかというと

(以下11/29のMJより抜粋)

・「結婚したくなる住まい」を提供する不動産業屋。
・もともと、社長の菊池林太郎さんは、趣味でお見合いパーティーを開催していたがなかなかうまくいかないことが契機となった。
・「なかなか結婚できない人の自宅を訪ねると食生活が貧しく、生活感がかけていることが多い。男女が豊かな食事を一緒にとり、長いしたくなる住まいを提供したいと思った。」と話す。
・そこで、中古マンションを全面リフォームして理想的な住まいを実現。
・ポイントは、キッチンの建材。
・キッチンは手料理を作りたくなる十分なサイズと設備を用意。
・室内にはしっくい壁や天然木の床など体に優しい素材を使用。
・これまで7組が成婚。
・人の縁をふやそうとする社長の姿勢に共感し、交際にいたらなくても不動産仲介を依頼する人が少なくない。

といったものです。

●マーケティング的な仕掛けは?

なかなか面白い不動産会社ですよね。

この不動産会社のマーケティング的な仕掛けをみていきましょう。

①視点の抽象化

多かれ少なかれ、会社というのは人を幸せにすることに関わっていることは確かなのですが、ともずれば、モノそのものを売るということに始終してしまい、いわゆる理念ともいうべきものがお題目になってしまっている会社が多いのが実情だと思います。

例えば、不動産会社やリフォーム会社に、何屋ですか?
と問われれば、普通何のためらいもなく、「不動産を提供しています」、とか「リフォームやっています。」と答えるでしょう。

つまり、提供している「モノ」そのものを答えるわけです。

でも、このPDOの場合、大真面目で「建物づくりを通じた幸せプロデュース業」とでも答えるのではないでしょうか。

つまり、提供するモノを通じて、結局、どんな価値を提供しているかということを答えるわけです。

そういった一段抽象度の高い部分にフォーカスすることで、打ち手の範囲・自由度が高まるため、自分のもっているさまざまな遊休資産(※)を活用できる可能性が高まります。

(※)趣味でやっていることのように、売上に貢献していないことを、遊んでいるという意味で遊休資産と呼んでいます。

①遊休資産の活用

PDOの場合、その遊休資産が、趣味で始めたお見合いパーティーであったのだと思います。

通常、資産というと、事業の売上のために蓄積するのが通常です。
よって、同じような業界だと同じような努力をするため、似たり寄ったりの資産になってしまいます。

その点、PDOの場合、趣味で始めたお見合いパーティーですから、意外性があり、競合がすくない独自の資産になっていることがわかります。

このように立ち位置が独自であれば、それだけでそのマーケットを独占できるため、相当有利な事業展開が期待できます。

想像するに、この菊池社長は、もともと、とても”おせっかい”というか”世話焼き”な側面がある人物だったのではないでしょうか。

人との縁を取り持つのが、好きで、そういったことに満足をおぼえるパーソナリティであったと想像します。

このようなパーソナリティの人が、不動産という業種とが、”幸福な化学反応”を起こしたことによって、まさに、独自としかいいようがない、事業モデルが生まれた、といえそうです。

この婚活不動産のように、視点の抽象化と遊休資産の活用を組み合わせることで、様々な個性あるサービスが考えられそうです。

●応用例は?

①痛タク

北海道のタクシー会社で、痛車のタクシー会社があります。

痛車とはアニメのキャラクターをタクシーの車体に全面にペイントした車のことですが、この痛車をタクシーとして使用して営業しているのです。

おそらく、このタクシー会社の社長か従業員がアニメが大好きだったのでしょう。

全国のアニメ好きが、このタクシーを乗りにくるそうです。

これなども、アニメおたくという”遊休資産”を見事に活用した例ですね。

(参考) http://www.choei-taxi.co.jp/index.html

●おまけ

先日、とある夫婦と、その結婚の馴れ初めの話をしていたのですが、その女性は部屋が大変寒かったため、暖かいマンションの部屋に住んでいる男性のところに転がり込んだことだったそうです。

確かに、寒い部屋でひとり、そこにあたたかい部屋をもつ異性がいたとしたら、行きたくなってしまう気持ちもわかりますよね。

そういった意味で、婚活不動産というと、一見不真面目に思えるかもしれませんが、実際に効果がありそうな気がします。