今回取り上げるのは、白洋舎のリネンサプライサービスです。

●これどういうもの?

11/6のMJの記事によると

・消費者向け市場が、20年前の半分まで縮んだといわれるクリーニング業界
・団塊世代の大量退職でスーツの需要が減少、カジュアルなビジネスウェアが普及するなど逆風が吹くつける中、高級クリーニングを手が ける白洋舎が増収増益を達成。
・その秘密が、同社の売上高の4割をしめるリネンレンタルだという。
・外資をはじめとする有名高級ホテルの多くはシーツ、タオル、テーブルクロスなどのリネン類をクリーニング付きでレンタルして いるが、昨今、外国人訪問客の増加に伴い、同レンタル事業が好調に推移している

ということです。

(参考)http://www.hakuyosha.co.jp/business/linen/

●マーケティング的な仕掛けは?

いろいろ考えるものですね。市場が半分に縮んでも、あの手この手で、売上を減らさないどころか、増収増益を達成するのですから、たいしたものです。

このサービスのマーケティング的仕掛けを考えてきましょう。

①サービス化
モノを所有するということは、初期投資が必要になるということと、運用・メンテナンスが必要になるという2つの負荷が発生し ます。この2つの負荷は、それを補ってあまりあるだけの需要が発生すれば問題ないのですが、できればその負荷を負いたくないのが本音でしょう。

そこで、これらの負荷を回避しサービスを使った分だけ支払いをしたい、ということになるわけですが、 この欲求にこたえるのが、サービス化ということになります。

白洋舎のリネンサプライサービスもまさに、サービス化といえます。 ホテルとしては、シーツ、タオルを所有せずに、白洋舎の サービスを利用することで、顧客に清潔なシーツ、タオルを提供するわけです。

(1)サービス化の適性
サービス化というのは、さまざまな業種で行われているのですが、どのようなものに適しているのかというと、

①初期コストが高くつく
②運用・メンテナンスが常に必要となる

です。

この点で、白洋舎のリネンサプライサービスは、②に特に当てはまる例ですね。

(2)サービス提供業者
またサービス化のおもしろいところは、そのサービス提供手がいろいろ考えられるという点です。

まず、最初に考えられるのが、①初期投資に関わるメーカー、もうひとつが②運用・メンテナンスに関わる業者です。

白洋舎のリネンサプライサービスは、②に特に当てはまる例ですね。

自動車のレンタルもサービス化の例ですが、初期投資に関わるメーカーとして、トヨタレンタカーがあるし、運用・ メンテナンスに関わる業者として、ガソリンスタンドにある「にこにこレンタカー」などがあります。

(3)サービス提供者のメリット
サービス提供業者が初期投資に関わるメーカーの場合、売上を平準化できるというメリットがあります。

初期投資に関わるメーカーが、もの購入していただくのではなく、サービスとして提供した場合、その場合は一回売っておわりではないので、毎月売上が立てられることになり、売上の見通しが立てられることになります。

見通しが立てられると、組織として人員等リソースを計画的に配分することができるなどのメリットが生まれます。

運用・メンテナンスに関わる業者の場合においては、より高い付加価値を提供しているため単価アップが期待できます。

白洋舎においても、単にクリーニングだけ請け負っているより、レンタルサービスのほうが単価を高く設定していると思われます。

●応用例は?

①おしぼりサービス
喫茶店などででてくるおしぼり、あれもサービス化されていますよね。
最近紙おしぼりのところが多くなってきていますが、個人的には、布のおしぼりがでてくるとうれしいなぁと感じます。
ちなみにどのくらいするものか、価格を調べてみたのですが、一枚10円程度。結構リーズナブルですよね。

http://www.tokyo-oshibori.jp/price.html

②情報システムのASPサービス・クラウドサービス
情報システムの分野でも、ASPサービスやクラウドサービスがでてきて、所有することから、使った分だけサービス料金を支払うというスタイルに移行してきています。情報システムは、先にでてきたサービス化の適性の2つの条件にあてはまりますので、サービス 化にはとても適しているといえるでしょう。

サービス化という概念は、非常に広範にわたって様々な業種・業態で展開されており、とりたてて取り上げることがないほど、普 遍的なテーマであると思います。商売の王道ですよね。

経済学を学ぶとかならず、比較優位の原則 というのがでてくるわけですが、サービス化というのは、この観点でも捉えるとすれば、サービス提供側・サービス受領側双方で、Win×Winの関係を結びやすい、ということが理解しやすいですよね。

●おまけ

身近な例で、こんなのを考えて見ました。

お花屋さんが近くの喫茶店や美容院に、生け花サービスをおこなう、というものです。

お花屋さんって、いつもお花をそろえていると思うんだけど、結構だめになってしまい廃棄しなければならないことも多いと思うの だけど、それを利用して、近くの喫茶店や美容院を飾ってあげる、というのはどうでしょうか。

一週間に2回くらい、お花屋さんが喫茶店や美容院のお花を取替えに来てくれる。
なので、喫茶店はいつも、きれいなお花がいけられている、と。

ついでに、喫茶店も、お花屋さんを宣伝してあげたりして。

Win×Winとなっているんじゃないでしょうか。