今回取り上げるのは、キットカットのチョコラボです。

●これどういうもの?

これはどういうものかというと、

・キットカットにオリジナルのプリントができるサービスです。
・例えば、結婚式のときの写真を入れたり
・オリジナルメッセージが入れられたり、
・自由に落書きできたりと、
・世界に一つだけのキットカットがつくれちゃうサービス

です。

(参考)http://www.chocollabo.com/pages/about/

キットカットは全世界で、10億ドル以上売れています。

また、日本においても、2012年にはポッキーをぬいて、No.1の地位になったそうです。

製品としては、ウェハースをミルクチョコレートでつつんだというごくシンプルなもので、
圧倒的な美味しさや、コカコーラのような独特な味といった特徴があるわけでもないのに
この売上げ。

これは、マーケティングの力以外の何物でもないでしょう。

では、そのマーケティング的な仕掛けを見ていきましょう。

●そのマーケティング的な仕掛けは?

①マイオリジナル

このチョコラボというサービス、面白いですよね。
七五三や、入学式などの写真で、つくってジジババたちに送ったりしたら、
喜ばれそうですよね。

また、下記のように’盛った’デザインにして、プリクラ感覚で女子高生同士で
送りあうのも楽しいでしょう。

http://beautist.cosme.net/article/88758

人には、自分だけのオリジナル(マイオリジナル)をつくりたいという欲求があります。

それが手軽なかたちで実現でき、つくったものが人に喜ばれるプレゼントになるのだったら、
作り手としてはうれしいですよね。

また、ビジネス上もメリットもあります。
贈答用であることで、自分が消費する以上の消費が期待できますし、
値段も高額にすることができます。

事実、値段設定も1セット 20個入り 2,100円(税込み)ということで、
通常は15個で231円なので、随分高く設定できていますよね。

②コミュニケーションツール

チョコラボ以外にも、キットメールやきっと勝つキャンペーンなどをみていると、
キットカットの顧客価値としてフォーカスしているのは、チョコレートの味でないことは明らかです。

味や食感といった、製品属性(スペック)を超越した、コミュニケーションの喜び・楽しさ、
ここを追及しているように思われます。

つまり、コミュニケーションのツールとしてのチョコレートということです。

そういった意味で、コミュニケーションチョコレートとよぶことができるかと思います。

キットカットは受験生に対する『きっと勝つ』キャンペーン以来、
このコミュニケーションチョコレートというコンセプトをベースに、
さまざまなチョコレートを通じたコミュニケーションの可能性を追及している、
そうといえそうです。

そもそも、商品というの、その属性(スペック)だけで存在するわけではありません。
商品というのは、その属性(スペック)(=事実)と、その解釈で成り立っています。

例えば、ダイアモンド。

ダイアモンドは、属性(スペック)としては、単なる硬い透明な石で、希少性がある、
ということくらいでしょうか。

その属性(スペック)に対して、永遠の輝きと解釈し、『ダイアモンドは永遠の愛の象徴』
という切り口を付加します。

こうして、属性(スペック)に解釈が加わることによって、属性(スペック)単体のときとは、
まったく別物の商品として生まれ変わります。

その別物が、ダイアモンドという商品であるわけです。

ちなみに、デビアスのこのキャンペーンは、マーケティング史上もっとも成功した
キャンペーンといわれています。

確かに、永遠の輝き、『ダイアモンドは永遠の愛の象徴』といわれれば、
少々高くても、買わざるを得ないですよね。(笑)

さて、キットカットですが、この解釈する、切り口をみつけるという部分が非常にうまいと思います。

コミュニケーションするときのチョコレートという切り口で商品を利用すると、
コミュニケーションという情緒的な部分にフォーカスするため、利用者は商品に愛着をもつことが期待できます。

あの時、チョコラボで作ったキットカットを送って喜ばれたなぁ、という経験は、
きっと印象的な経験として残るでしょう。

●応用例

①マイオリジナル

(1)年賀状

 年賀状も、自分だけのオリジナルをつくりたいという欲求にささえられたものですよね。
 こどもの写真を送る人が多いですが、どの写真を選ぼうかと迷うのも、
 また楽しいということでしょう。

(2)富士フィルムのYearAlbum

 スマホのデジカメの性能もだいぶ良くなってきて、写真をとるシュチュエーションも増えてきている
 とは思いますが、その割に、とっと写真を利用する場面や媒体が少ないように思います。

 そのため、とった写真が未整理のままほったらかしになってしまう。。。

 そのようなときは、富士フィルムのYearAlbumがよいです。

 これは、一定期間の写真を自動でよいものを選んでフォトブックにしてくれる、
 というサービスです。

 このサービスも、手軽でマイオリジナルをつくれる優れたサービスですよね。

 (参考)http://year-album.jp/

 

①コミュニケーションツール

 よく観光地に、『○○にいってきました』というメッセージが印字してあるクッキーが
 ありますが、あれなんかも、モノをコミュニケーションツールとして使っている例ですね。

 もちろん、前述のダイアモンドもそうです。

●おまけ

前述した、富士フィルムのYearAlbumですが、なかなかうまい企画ですよね。

自動でよい写真を選んでくれて手軽だというところもよいですが、
1年1冊というところが、特にうまいと思います。

サービス提供手としては、毎年購入してくれることが期待できるし、
消費者としても、毎年思い出が増えていくようで、うれしいのではないかと思います。