今回は、日比谷花壇というお花屋さんの面白い試みを取り上げてみます。

これどういうもの?

まずは、MJの記事から抜粋。

ーーーーーーーここからーーーーーーーー
・日比谷花壇は1月31日の「愛妻の日」に向けて妻へ花を贈る男性を支援するキャンペーンを実施する。

・29日から31日まで、東京・日比谷を中心にしたエリアを愛妻特区と名付け、エリア内にある日比谷花壇5店舗で特製「愛妻家宣言証」を配布。宣言証をもって協賛するネイルサロンなど6店舗に来店すると先着でチューリップをプレゼントする。

・日比谷花壇23店舗では、持参した弁当箱にバラなどの生花を詰めたフラワーアレンジメント(1500円)を限定販売する。

 (中略)

・妻へのサプライズの演出を手助けして、花を贈る楽しさを体験してもらうのが狙い。

・このほか1月31日から3月31日まで、結婚式を挙げていない夫婦や妻との記念撮影を対象にウエディングドレスを着て写真撮影できるプランを用意した。

ーーーーーーーここまでーーーーーーーー

(参考)http://aisai.hibiyakadan.com/

なかなかユニークな企画ですよね。

ちなみに、

「英語のI(アイ)と31(サイ)と読んで、毎年1月31日は「愛妻の日」としています。」

だそうです。

マーケティング的な仕掛けは?

さて、この企画。

多少悪ノリ感もありますが(笑)、大変素晴らしい企画だと思います。

恐らく、この多少の悪ノリ感に、抵抗もあっただろうし、オペレーションが追いつくのかといった観点でも反対はあったのだろうと推測します。

そういう反対を押し切って、やってしまうあたり、相当頭の柔らかい組織なんだと思います。

もう一つ、一見正論と考えられる、反論もあります。

うちは企画屋じゃないんだから、本来、花屋としてやるべきこと(コア)に集中すべきなのでは?

この反論一面では真理ですが、しかしそうであっても、この企画、私は良いと思います。

その理由は、ベネフィットにフォーカスが当たっているからです。

お花屋さんのベネフィットは、「お花を提供すること」ではなく、「お花を通じて幸せを提供する」なのではないでしょうか。

そして、「お花を通じて幸せを提供する」形が、弁当箱のバラであったり、サプライズを演出することだったりするわけです。

事業領域を拡張させていくとき、無軌道に拡張させていくと、確かに各事業がばらばらになって、うまくいかないことが多いでしょう。
また、それで本業がおろそかになるのだったら、やるべきではありません。

しかし、ベネフィットでくくられた領域への拡張であれば、

・単価UPが期待できる、
・新たな需要が期待できる

など、成功の確率も高くなると思われます。

ちなみに、この弁当箱のサービス。
洗い終えた弁当箱を日比谷花壇までもっていくと、その弁当箱に花を詰めてくれる、というもののようです。

何気なく夫から弁当箱を受け取って、ふたを開けたら、バラが入っているわけです。
妻からしたら、相当のサプライズですよね。
微笑ましい光景が目に浮かぶようです。

応用例

①婚活不動産

以前取り上げた婚活不動産。これも、不動産を通じた幸せの形という意味で、ベネフィットでくくられた領域への拡張とみてよいでしょう。

②アート引越しセンター

アート引越しセンターは、当初は普通の運送屋さんでした。
運送業というのも、通常は、ものの運送サービスを提供していると考えてしまいがちです。

しかし、引越し客からしてみれば、やりたいことは、引越しであるわけで、ものを運送するのはその一部であり、手段です。

そこで、アート引越しセンターは、ものを運送するだけでなく、荷物の梱包から荷解きまで’引越し’全体を担うよう業務を拡張したわけです。

引越しというベネフィットでくくられた業務拡張といってよいでしょう。

おまけ

今回は、日比谷花壇というお花屋さんをとりあげましたが、このお花屋さん、お花屋さんという言葉からは想像できないようなビックな企業のようです。

従業員数1,612名、売上204億円だそうです。

それから、披露宴で花束贈呈のシーンを発案したのもこの日比谷花壇なのだそうです。

こういった昔から当然行われていると思われるような習慣も、実は、企業のマーケティング活動の賜物だったりするんですね。