今回 は、ヤマダ電機子会社のボランタリーチェーン(VC)、コスモスベリーズについて取り上げてみましょう。

その前に、ボランタリーチェーン(VC)ってご存じですか?

ボランタリーチェーンとは、

「多数の独立した小売事業者が連携・組織化し、商標使用・仕入 れ・物流などを共同化し、これを行う形態のことを指す。 これにより、仕入先との取引が大口化され、仕入れ単価の引き下げが期待できる。 小規模の小売店は大手との価格差をできるだけなくし、独自のサービスで差別化を図る事ができる。」

といったものです。

(Wikipediaより)

これどういうもの?

さて、ここを踏まえたうえで、1/27のMJの記事を読んでいきましょう。

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・ヤマダ電機子会社のボランタリーチェーン(VC)運営のコスモスベリーズは、2015年度をめどに加盟店数を約3割増の1万点に引き上げる。

・商品説明用のタプレット用アプリを開発したり、パソコン教室を開けるように教材の仲介を始めたりして、加盟店が商談しやすい ように支援する。

 <中略>

・商品説明画面や商品の価格、在庫状況、納期などがその場でわかるようなアプリを開発する。

・加盟店は有料でアプリをタブレットなどにダウンロードして使うことで、出先での商談などに役立てることができる。

・コスモスベリーズの加盟店は13年12月末でフランチャイズチェーン(FC)とVC合計で7855店。

・このうち7700店がVC店で、町の電気店や燃料店、工事店、工務店などがほとんど。

・家電量販店と比べ自宅を訪問する機会が多いほか、ヤマダ電機の近隣の店舗をショールームのように使って、顧客との商談もできるようにしている。

・ヤマダ電機グループは、小型店舗に冷蔵庫や洗濯機を数台並べるより、店をサロン化したほうが 売上高や利益が増えると判断。

・すでにFC店3店で実施し、粗利益額が2割増えたという。

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少々わかりにくかったかもしれません。

要約しましょう。

要は、VCであるコスモスベリーズが、街の電気屋さんを支援しますよ、ということ。

ポイントは、のれんはそのままで、コスモスベリーズのインフラ、つまりは、物流、販売促進用のアプリ、ショールーム(近隣のヤマダ電器)などを使えますよ、というわけです。

そのほうが、狭い店に商品を置いておくより、よいのではないですか?
店をサロン化し、実際の商売はお客さんのご自宅でタブレットを使って行っ たほうがいいんじゃないですか?

そういった提案です。

では、マーケティング的な仕掛けを見ていきましょう。

マーケティング的な仕掛けは?

ヤマダ電機から考えると、街の電気屋さんは同じ家電を売っているわけですので競合です。
普通に考えると、競合は、自社の売り上げを奪う存在であるので、ないほうがよいと考えてしまいがちです。

しかし、どうしても家電量販店がカバーしきれない客層というのは存在します。

例えば、お年寄り。

なじみの店員が、自宅まできて細やかなサービスをしてくれるといったようなことは、街の電気屋さんには太刀打ちできないでしょう。

高齢化の進展に伴い、ますます、こういった需要は増していくかもしれません。

ですので、こういったニーズに対しては街の電気屋さんの優位性みとめて、競合と戦うのではなく、競合支援することで、競合との共生を図っていこう、こういう考えなのだと思います。

なかなか懐深い考え方ですよね。

応用例

文房具の翌日配達で有名なアスクル。

ここも街の文房具店からすると、競合と考えられますが、コスモスベリーズと同じく、競合との共生を図っています。

アスクルは、通販事業を行う一方で、街の文房具店の卸売業としての顔を持ちます。

アスクルは街の文房具店を代理店としてみなして、代理店に営業や顧客のケアをやってもらうわけです。

その代り、アスクルは、商品の供給や販売ツールであるカタログの制作、商品の受注、顧客からの問い合わせやクレームの処理などを担います。

大きいことのメリット(大規模な物流センター等の効率的な物流)と、小さいことのメリット(小 回りがききキメの細かい対応ができる)を共に生かして、お互い得意分野に特化することで、うまく共生をしているといえるでしょう。

街の電気屋さんや街の文具店といった小規模の店舗は、ともすれば大型店との競合に対して、なすすべがないように思われます。

しかし、相手の得意分野で勝負するのではなく、あくまで自分の得意分野で勝負する。
弱いところはコスモスベリーズやアスクルのようなサービスで補強してもらう。

こういう戦略であれば、十分生き残っていけるのではないかと思います。

おまけ

最近、自宅のリビングルームのシーリングライトの電球がきれたので、これを機にLEDの照明に切り替えました。

結局は、ネットで買ってしまったわけですが、もし、なじみにしている電気屋さんがいれば、その電気屋さんにお願いしたかもしれません。

よく考えてみると、ネットで買うといっても、商品を選んだり、設置したり、ごみを捨てたりといったことまで含めると、結構な手間と時間がかかっています。
商品を選ぶところまで含めると、半日くらいは簡単につぶれてしまうのではないでしょうか。

それを電話一本でやってくれるのであれば、少々高くても、頼む価値はあるのではないかと思います。

しかし、そういったニーズはあっても、街の電気屋さんは、僕のところには営業してこないので、頼みたくても頼めないのが実情です。

街の電気屋さんも、もう少し営業努力をしてもいいかもしれませんね。