今回取り上げるのは、最近話題になっているペプシの比較CMを取り上げてみます。

これどういうもの?

・500名を対象にペプシが実施したコカ・コーラ ゼロとの飲み比べ調査。
・手法としては、製品名を隠して、どちらの方が「おいしい」か答えるもの
・その結果、61%の人が新しいペプシNEX ZEROの方がおいしいと答えた。
・映像としても、とても印象的に作られています。
 赤いスーツを着た集団と、青いスーツを着た集団が発表を固唾のんで見守っている。
 そして、「ペプシ」と勝者をつげる発表があると青の陣営が歓喜に沸く
 「この勝利はは偶然か?必然か?」
 「その答えは未来にある」
 「ForeverCharage」

ということだそうです。

なかなか、大胆なCMですよね。
大胆であっても、そんなにえげつない感じはなく、悪い感じはしなかったのですが、いかがでしょうか?

(参考)http://www.pepsi.co.jp/hikaku/index.html

さて、マーケティング的な仕掛を考えてきましょう。

マーケティング的な仕掛けは?

①比較広告

このCMをみるとまず思い起こされるのは、過去の米国で行われたペプシのキャンペーン「ペプシ・チャンレンジ」です。
これも、今回のペプシのCMと同じように、コカコーラを名指しして、飲み比べ実験を行いました。
その結果、ペプシが勝ったということを利用して、大々的に宣伝をしました。
一説によると、ペプシのほうが甘いため、一口飲んだだけのテストでは、ペプシが優位になりやすい、といった情報もあります。

真偽のほどはわかりませんが、いずれにせよ、このキャンペーンは成功し、そのことを契機にコカコーラが味の変更を行うに至った、という経緯があります。

ちなみに、その味の変更(ニューコーク)ですが、新旧の味を併売せずに全て新しいフレーバーに入れ替えたため、消費者から「昔の味を返せ」と抗議が殺到。

たった3カ月で元の味のコカ・コーラを「コカ・コーラ・クラシック」として再発売する結果になったそうです。

今回は、その米国版「ペプシ・チャンレンジ」の焼き直しといえます。

多くの人に支持されているという事実は、ブランドにとって大変強力な事実です。

この事実をテコとして、はたして、ペプシのキャンペーンが成功するかどうか。

非常に気になるところです。

②2番手の戦略

それから、このキャンペーンで特徴的なのは、「ForeverCharage」と、みずからチャレンジャーである位置付けているところ。

これについても、米国でおこなわれた有名な例があります。

レンタカーのエイビスという万年2位のレンタカー会社があって、13年連続で赤字でした。

ところが、「エイビスはレンタカー業界でナンバーツーに過ぎません。だからこそご利用いただきたいのです。私たちは一生懸命頑張ります。」という切り口で訴求したところ、このキャンペーンは大変成功したそうです。

このポイントは、ナンバーワンにはなれないことを素直に認め、逆にナンバーツーという立場を積極的に利用したというところです。

判官びいきという言葉がありますが、圧倒的に1位な商品があると、それに対するカウンターパートという層というのは必ず存在します。

そういった層に対して、自らをチャレンジャーとして位置付けるというのは、2位の戦略としては非常に有用です。

今回のペプシの広告は、単に比較広告とするだけでなく、「ForeverCharage」というフレーズをいれるだけで、ずいぶん、当たりを柔らかくなっているような印象があります。

当たりを柔らかくしつつ、判官びいきという心理的な力学をつかっていて、巧みに特定の層にアピールするという。
なかなか秀逸なCMだと思います。

おまけ

比較広告は、日本ではあまり行われていません。

効果を訴求するために、比較をすることはあっても、当社比というようなかたちで、ライバルブランドを名指ししての比較ということはあまりされていません。

それが、誹謗中傷になってしまうということもあるからかもしれませんが、だからといって、当局により規制を受けているわけではありません。

比較広告については、消費者省よりガイドラインがだされていて、次の条件を満たせば、比較広告は認められています。

(1)比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
(3)比較の方法が公正であること。

(参考)http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/hikaku.html

消費者としては、本当に知りたいのは、当社比ではなく、具体的なライバルブランドとの比較ではないでしょうか。

ですので、より積極的に名指しでの比較することがあっても良いんではないかと個人的に思います。

例えば、燃費が売りという車は多いですが、どれも同じように訴求しているので、結局どれがよいのか消費者はよくわからないという事態に陥っているような気がします。

もし燃費が売りハイブリットカーが

「プリウスより1割、燃費がよいですよ~」などと訴求していたらどうでしょうか?

かなりの訴求力を持つと思うのですが・・・