今回は、老舗化粧品メーカーのウテナ(東京・世田谷)の「たるみ引き上げV-Mask」を取り上げてみます。

これどういうもの?

まずは、3/5のMJの記事から。

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◆老舗化粧品メーカーのウテナ(東京・世田谷)がターゲットを絞り込んだ商品開発でヒットを連発している。

◆顔の引き上げテープやまとめ髪要ワックスなどで首位となったものもある。

(中略)

◆ゆで卵の薄皮ほどの透明なテープを耳の近くに貼り、フェースラインをきゅっと引き上げる。ウテナの「リフタージュたるみ引き上げテープ」(80枚入りで2310円)だ。

◆斬新な発想が受け、昨年3月の発売から12月までに計画の倍である約6000万円を販売した。

(中略)

◆同社がターゲットを絞り込む、セグメントマーケティング戦略を打ち出したのは2011年。化粧品業界は参入障壁が低いため、スキンケアだけで半年に500種類以上の新商品が発売されるが、主要な小売の店頭に置いてもらうには10%しかない。

◆大量のCM投下なしに店頭に置いてもらうには、より細かな消費者ニーズをとらえた商品でなければならない。

(中略)

◆スティックのみのような形状のまとめ髪用ヘアワックス「マトメージュ」は日本最大の化粧品の口コミサイト「アットコスメ」のヘアワックス部門で1位となった。

(中略)

◆セグメント戦略やサプライチェーンの見直しが奏功し、13年2月期は売上高57億円と増収増益に転じた。

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さて、化粧品というのも競争が激しい業界ですよね。

スキンケアだけで半年に500種類以上の新商品が発売というのですから。

業界全体の売上高が1兆7,608億円ほどです。
このうち販売管理費が75%程度と推測されます(※)ので、業界全体でおよそ、1.3兆円ほどの金額が、化粧品を売るための努力に使われているわけです。

(※)資生堂を参考に類推しました。
 http://www.ullet.com/4911/all.html

なかなかすごい業界ですが、その中で、生き残っていくには相当のマーケティング的なテクニック必要だと思われます。

もちろん、記事にある通り、セグメントマーケティングが王道ではあるとは思いますが、今回、注目したの「たるみ引き上げV-Mask」のパッケージデザインです。

resource

(参考)http://www.utena.co.jp/puresa/vmask/

マーケティング的な仕掛けは?

①疑似体験効果

まず、この商品の優れているところは、商品の理解性が高いというところ。

パッケージを一目見ただけで、どのように効くのか、どのように使うのかが一目瞭然です。

このように、理解性が高いということは様々なメリットがありますが、一つは、ひとつは覚えられやすいということです。

例えば、小林製薬の「のどぬーるスプレー」。

これなども、パッケージを一目見ただけで、どのように効くのか、どのように使うのかが一目瞭然ですよね。

これなども、一発で商品を覚えたのではないでしょうか。

なぜ、覚えられやすいかというと、疑似体験効果があるからです。

ビジュアルで理解できるということは、一回脳内でその商品をつかった場面をイメージするので、消費者はもうその商品を購入する前から、その商品を疑似的に体験していると考えることができます。

つまり、購入前からその商品をつかった体験の記憶がつくられているわけです。

ゆえに、覚えられやすい、ということになります。
百聞は一見に如かずといいますが、一度体験すれば、忘れないですよね。

そして、何か課題があって商品の購入を検討する必要性が生じたとき、その場合、真っ先に一度使ったものを脳内に想起します。

ですので、そのような商品は選ばれやすい、ヒットしやすい、ということになります。

よくテレビCMなどで、盛んにおいしそうに商品を飲んだりたべたりしているシーンを訴求していますが、この疑似体験効果を狙っていると考えることもできます。

応用例

①指で使うハブラシセット

http://www.kao.co.jp/deepclean/products/yubihaburashi.html

この商品も、商品の形状からして5感に訴えかけるものがあり、疑似体験効果がありますよね。

実際、使うと気持ちいいでしょう。

おまけ

今回取り上げたウテナという化粧品メーカーですが、相当の昔からあるメーカーのようです。
創業が1923年ですから、大正時代に創業したことになります。

社名は花の萼から来ており、美しい花を支える部分が萼であるように、女性の美を根幹から支える企業でありたいという思いが込められているそうです。

なかなか素晴らしい会社名です。それで基礎化粧品が評価が高いというのですから、社名とぴったり合致しますよね。